不妊治療コラム⑱ 着床前診断と着床前スクリーニング | 東京都葛飾区の女性専門不妊鍼灸院・更年期障害 青龍堂

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不妊治療コラム

「着床前診断と着床前スクリーニング」

先日、日本産婦人科学会から着床前スクリーニング(PGS)の臨床研究開始の発表がありました。
今回は着床前診断(PGD)着床前スクリーニング(PGS)についてまとめてみたいと思います。

 

着床前診断(PGD)とはご夫婦のどちらかが先天性染色体異常をお持ちの場合、受けることができます。
①「PGDが必要」と担当医が判断
②日本人類遺伝学会の認定医によるカウンセリングを受ける
③施設内倫理委員会により承認を得る
④日本産婦人科学会に申請し、認定を受ける
などの手続きが必要となり上記の手続きを完了するまでには最短でも3ケ月はかかります。

 

40代で体外受精で妊娠した場合、その流産率は60%以上に及ぶといわれています。
着床前診断の基準に当てはまらないご夫婦が体外受精などの高度生殖医療をうけられている過程で
流産を繰り返しているなどの理由から移植前に受精卵の染色体異常を判別してほしいというニーズに応えるのが着床前スクリーニングになります。
同じ目的の検査でも大きく違うのは着床前スクリーニングに関しては現在、日本ではまだ臨床応用が認められていないということです。

日本産婦人科学会が認めていない医療機関で着床前スクリーニングを受けることは可能ですが、行っている医療機関が少ないこと、費用が数十万円かかるところもあり高額であることなどから今回の臨床研究開始の報は体外受精を受けられているご夫婦には確かに朗報なのかもしれません。

しかしながら実際に一般の不妊クリニックで行われる様になるにはまだまだ先になることや費用の問題などなど課題はありそうです。

 

流産に至るその原因は、流産物の染色体検査の結果によると、ほとんどは染色体の数の異常(トリソミー、三倍体、45,XOなど)です。
これは卵子の老化により、染色体が正常に減数分裂できなくなることが影響していると考えられます。
このような受精卵の染色体異常に対して着床前スクリーニングは検査して正常な受精卵だけを移植する

治療法です。

このように厳選して受精卵を移植するということは今よりも移植の回数が減り母体への影響や心の問題には好ましいものの実際に移植をする回数が減り、出生率は変わらないという結果になります。

 

また出生前診断でも同じように議論されてきた問題ですが、『生まれてきてもよい生命』と『生まれることが望ましくない生命』を定め、人の生命の質を選別することは誰にも許されないという指摘もあり
「命の選別を可能にするシステムは一度動き始めると歯止めがきかない」として、「臨床研究の撤回」と

「障害を持つ当事者の声を聞くこと」を求め、先天性神経難病の患者らでつくる団体「神経筋疾患ネットワーク」は着床前スクリーニング(PGS)に反対する声明文を日本産婦人科学会に提出しました
着床前スクリーニング(PGS)は不妊治療として期待が上がる一方、染色体数の異常を理由に受精卵を

排除する点が問題視されているのもまた事実であります。