東京都葛飾区の不妊鍼灸院 青龍堂です。
今日は東洋医学的にみた不妊症のタイプと症状の5回目、「痰湿」について
考えてみましょう。
先のコラムで「気」「血」「津液」「精」が人体を構成する基本要素である
ことをお話しました。
「痰湿」の病態とは「津液」が大きく関わっています。
では、津液とはどのようなものでしょうか?
津液は血液以外の全ての水分であり、体を隅々まで潤す働きを担っています。
食べ物や飲み物が胃や脾で消化されます。
脾が吸収した水分が津液となり全身を循環します。
津液の循環には特に「肺」の働きが大きく、津液は口や鼻や目を潤します。
必要なくなった水分は尿や汗となり体外へ排出されます。
<津液の作用と主な働き>
体内をゆっくり流れる津液は骨の中心にある髄に溜り、頭部の髄に溜った
津液は脳に栄養分を補給し、外部の刺激から脳を守っている。
肺の働きにより津液は上へ下へと巡らされ調節される。
腎では津液がリサイクルされ不要なものと再利用されるものに分けられる。
体内をゆっくり流れる津液は関節の周囲に溜り、関節が滑らかに動くかす。
隅々まで行き渡る津液の作用で体の組織は乾燥から守られる。
体表面に出た津液は五液と呼ばれ汗、涙、鼻水、よだれ、つばのことである。
津液の変調とは即ち水分代謝が悪くなってしまう状態です。
停滞した津液は「湿」と呼ばれ、湿が増えて凝集すると「痰」になります。
「痰湿」の症状としては以下のようなものがあります。
① 顔や手足が浮腫む
② 肥満・太りやすい(水太りなど)
③ めまい・動悸・吐き気
④ おりものが多い
⑤ にきび・吹き出物
⑥ 舌の苔が白くて厚い
不必要な水分が排泄されず、体内に留まり濁った状態になることで様々な体の
不調(不妊症の大敵である冷えなど)を招くことになります。
妊娠する力を高めるためには、気虚(気の巡り)瘀血(血の巡り)痰湿(津液
=体液の巡り)を改善し体を温め、バランスのとれた体質に変えていくことが
遠いようでも最も近い早道となります。
やがて体内に宿る新しい命のために、先ずはお母さんが健康になりましょう。