東京都葛飾区の不妊鍼灸院 青龍堂です。
今日の東洋医学的にみた不妊症のタイプと症状は「気血両虚」という症について考えてみましょう。
「気」とは何でしょうか?
東洋医学でいう気の概念とはあらゆるものを作り出し生命活動を維持する根源であるとされますが…
定義が漠然としてよく解りませんよね…(@_@;)
では、気が体とどのように関わっているかを考えてみましょう。
① 推動…成長や臓腑や組織の活動を促す。血や津液は気によって運ばれる。
② 温煦…体を温める作用。体温を維持する。
③ 防御…外邪の侵入を防ぎ戦う。免疫作用。
④ 固摂…体液(血液)が漏れ出るのを防ぐ。汗や尿、精液の排出を調節する。
⑤ 気化…気・血・津液・精を作りだし、他の物に変化させる。
汗や尿を作りだし、排出させる機能。
このように「気」は体の中で大切な働きをしているものです。
では、「血」とは何でしょうか?
食べ物が「脾」や「胃」の働きにより消化吸収され栄養価値のある物質になり「気」の
作用を受け「血」になります。
血は「心」のポンプ作用により体内を巡り「肝」は血を蓄え、血流の調節もします。
それでは「気血両虚」の虚するとはどういう状態でしょうか?
「腎虚」の時に説明しましたが、簡単にいえば不足し働きが弱くなるのです。
気が虚する気虚の症状としては 血が虚する血虚の症状としては
① 倦怠感・無力感 ①顔色が蒼白・艶がなく黄色い
② 息切れ・声に力が入らない ②めまい・目のかすみや乾き
③ 脈が弱くなる ③脈は細い・不整脈
④ 話すことさえ億劫に感じる ④健忘・不眠・爪の変形や変色
⑤ 何もしないのに汗をかく ⑤舌や唇が白くなる
⑥ 食欲不振・体重減少 ⑥月経困難症・出血減少し色が薄い
以上の症状は不妊症の所見でよく見られる「気血両虚」の症です。
このように一つ一つの言葉を紐解いていくと解りやすいですよね。
「脾」「胃」「肝」「心」などが関わって「気血両虚」を作り出しています。
不妊症と「腎虚」「肝気鬱結」「瘀血」の症も、今日の「気血両虚」の症も人の
身体の中のあらゆる組織が連動し合って症状を作り出していると云えます。