東京都葛飾区の不妊鍼灸院 青龍堂です。
不妊治療コラムも10回を越えました。
今回より東洋医学的にみた不妊症のタイプと症状を考えてみたいと想います。
そこから個人別の治療法を探っていくのが私たち鍼灸師の仕事です。
なるべく解りやすくご紹介したいと思いますので参考にして頂けたら幸いです。
先ず、不妊症に関わりの深い五臓は「腎」であると以前お話しました。
腎は成長発育や生殖機能を司ると云われているので、腎の変調や機能低下は
不妊症や腰萎(ED)が起こします。
では腎が虚するとはどういう状態でしょうか?
東洋医学的には「虚腎」と云います。
自覚症状…①元気がなくなる 他覚的所見…①舌の色が淡い
②足腰に力が入らない ②脈が弱い
③夜トイレに目覚める ③腎経に反応が出る
④物事を忘れやすい
⑤性欲の減退がある
一口に腎虚といってもまたそこから枝分かれした症(診断)を定めます。
腎は二つあり左は腎陰と呼び陰を司り、右は腎陽(命門)と呼び陽を司ります。
腎陰が虚すると…①腰や膝の軟弱化 腎陽が虚すると…①精神不振・精力減退
②めまい・耳鳴り ②生殖能力の低下
③手掌や足底の熱感 ③寒がり・全身の冷え
④不眠・多夢 ④むくみ
⑤喉の渇き・便秘 ⑤尿量の減少・下痢
以上の症の見極めはもちろん問診の上、舌診や腹診や脈診からも判断します。
治療の際「些細な事だから話さなくてもよいかな…?」と思われる小さな事柄が
治療に役立つ判断につながることも多々あります。
ご心配な事は些細な事でもお話し頂けると、よりお身体に適した施術が可能になるので
私たち鍼灸師にとってはとても有難いことなのです。